Riot Games は、LCS(北米最高峰の競技リーグ、League of Legends Championship Series)の新しいブランド方針を携えて、僕らのところへ来た。2024シーズンには、新しいビジュアルアイデンティティを一年を通して運ぶ、ローンチ映像とヒーローショットが必要だった。スプリングスプリット、サマースプリット、プレーオフ、そしてその先まで。
それが最後のLCSシーズンになるとは、僕らは知らなかった。誰も知らなかった。けれど、コミュニティの歴史に敬意を払いながらブランドを前へ進める。その僕らのクリエイティブな判断は、結果として、別れにこそふさわしいものになった。
ヒーローショットは、使い捨てのコンテンツじゃない。ビジュアルシステムとして機能する必要があった。シーズンを通して再利用できるよう設計された映像。リーグ放送、ハイライト、プレーオフのパッケージ、宣伝素材に登場する。つくったすべてが、最初に見たときは新鮮で、数か月後のまったく違う競技の文脈でも、なお持ちこたえる必要があった。
戦略は、コミュニティの歴史を新しいビジュアルアイデンティティに深く埋め込むことだった。ずっと見てきたファンは報われたと感じ、ライトな視聴者にも、なお目を引くものが見えるように。
あちこちに、イースターエッグを仕込んだ。背景に隠した金色のヘラ。象徴的なLCSの試合の瞬間を指す時刻に合わせた時計。長年のファンだけが気づく見出しの、新聞の小道具。ラベルもなし。説明もなし。内輪への合図。もっとも強いブランドの瞬間は、観客が自分で見つけるもの。その原則の上に築いた。
これは、クリエイティブに応用した「保有効果」。人は隠された意味を見つけると、それを「自分のもの」と感じる。共有する。コミュニティに伝える。発見そのものが、コンテンツになる。
ローンチ映像は、新しいLCSのブランディングを打ち出しながら、コミュニティがすでにリーグに抱いている思いを裏切らない必要があった。歩むべき細い線。リーグがファンを置き去りにする、という合図を出さずに、見た目を進化させること。新しいビジュアル言語、変わらない感情のDNA。
ヒーローショットは、再利用できる素材として構想した。一度つくり、一年を通して展開する。ローンチ週だけでなく、プレーオフの文脈でも機能するよう、構図を計画した。どのショットも、二つの時間軸を背負う必要があった。新シーズンが始まる高揚と、シーズンが終わる緊迫。
ディレクターのBradly Dunnが制作を率いた。編集のJeremie BouchardとBlake Bretonが、最終形を仕上げた。僕は、クリエイティブ戦略を主導した。コンセプト、イースターエッグのシステム、そしてシーズンの物語の弧をひとつの一貫したビジュアルアイデンティティに束ねる、ビジュアルストーリーテリングの手法。
LCSは、2024シーズンを最後に幕を閉じた。新しい時代を始めるはずだった僕らのクリエイティブは、リーグの「別れ」のビジュアルアイデンティティになった。長年のファンへのラブレターとして仕込んだイースターエッグは、振り返るほどに胸に迫る。金色のヘラ、意味を込めた時刻、暗号のような見出し。注意を払う人を報いるための細部が、結果として、静かな手向けになった。
それは、戦略的な先見じゃない。ブランドの視点ではなく、コミュニティの視点からクリエイティブを築いたことの、副産物。いちばん深く想っている人たちのために設計すると、その仕事は、文脈に関わらず意味を持ちやすくなる。